日産ブランドアンバサダーとして活躍する田村宏志氏が新車時から所有する「スカイラインGT-R (BNR32)」を忠実に再現したモデルになります。

【車両解説】
1989年5月、8代目スカイライン（R32型）が発表されました。GT-Rを含む4WD車は8月発売とアナウンスされ、同年8月21日に発売されました。
基準車は全長や前後のオーバーハングを切り詰めて、走行性能を高めつつ、先代から引き継がれたRB系エンジンはレスポンスを向上……一方で特にセダンの後席の居住性には目を瞑るなど、8代目スカイラインは賛否両論に評価が分かれる世代となりました。
しかし、そんな議論を無意味なものにしてしまうほどの衝撃を与えたのが、ケンメリスカイライン以来のGT-Rグレードの復活でした。ツインターボ化され、排気量を2.6リッターにまで拡大した専用エンジン、4輪操舵と電子制御フルタイム4駆を組み合わせた駆動系に4輪マルチリンクサスペンション、これらは当時盛んだったグループAカテゴリーのツーリングカーレースを制するために盛り込まれた装備で、実際に8代目スカイラインのGT-R（BNR32）は同カテゴリーで無敵の強さを誇り、結果として同カテゴリーのレースを終焉に向かわせるきっかけを作ることになったのです。
今回モデルカーの題材に選んだのは、2013年から「NISSAN GT-R」の統括責任者を担当し、現在は日産ブランドアンバサダーとして知られる田村宏志氏が、新車時から所有するスカイラインGT-R。根っからのカーガイである同氏らしく、最高速度300km/h以上をマークするチューンド仕様となっているのもポイントとなっています。

【モデル解説】
モデルカーのボディの原型は実車のスキャンデータを元に設計しています。より迫力を出したり、幅広に見せたりといった意図的なデフォルメは行わず、どなたが見てもスカイラインGT-Rらしいと感じられる客観的なプロポーション表現を目指しました。一方で、1/43にスケールダウンした際に消滅してしまうようなプレスラインや面表現は、より実車らしく見えるように最適化するといった工夫も凝らしています。
田村宏志氏の愛車は、一見ノーマル然としていますが、最高速度300km/h以上を誇るチューンドカーでもあり、例えば数少ないエクステリアのモディファイ箇所であるBNR34用のホイールやそのスポーク越しに覗くN1耐久仕様（現・スーパー耐久）のブレンボ製ブレーキやNISMO用エアダクト付きバンパー、フードトップモール、氏自らが設計を行ったとされるワンオフマフラー、大容量インタークーラーの他、やや下げられた車高などは、実車の雰囲気を正確に再現しています。
また実車のヘッドライトは純正の角型2灯ハロゲン式へと交換されていますが、こちらはクロームメッキ処理を行ったホワイトメタル製のリフレクター＆ハウジングとインジェクション成型の精緻なレンズカットの入ったアウターカバーとの組み合わせで実車さながらの精悍な“目元”を演出しました。
ステアリングホイールやシートなどは純正をキープしており、唯一のモディファイは300km/hフルスケールのスピードメーターと、グローブボックスに仕込まれたセッティング用の各メーターとなっています。そうした特徴もモデルでは抜かりなく再現しました。
湾岸ランナーであった説も根強い（真偽のほどは不明）田村宏志氏の愛車らしく、『Mid Night』のステッカーやエンジンチューンを担当した『PENT ROOF』のステッカーなどが貼られていますが、それらもデカールで表現し、さらにその上からクリアコーティング塗装を施しております。
長年、日産自動車に勤務し、“中の人”としてGT-RやフェアレディZに接する一方で、プライベートではスカイラインGT-Rをこよなく愛するカーガイとして知られる田村宏志氏の愛車を再現したこちらのモデルカーは、熱心なGT-Rファン必携の1台と言っても良いのではないでしょうか？