【車両解説】
現時点で最後のロータリー・エンジン搭載の市販車となったマツダRX-8が生産を終えてから2023年で10年の歳月が経とうとしています。今やロータリー・エンジンはおろか、レシプロ・エンジンの未来すら先行きが案じられる状況となり、自動車業界は電動化に向けて足並みを揃えつつあります。
マツダはRX-8が生産を終えてから2年後、2015年の第44回東京モーターショーで、RX-VISIONと呼ばれるコンセプトカーを発表しました。デザインのテーマは同時期に市販車へのフィードバックも開始されつつあり、好評を博していた「魂動(こどう)」で、それをロングノーズ&ショートデッキの古典的スポーツカーの基本骨格にドッキングしたことで大いに話題を呼びました。
しかし、それ以上のマツダファンを歓喜させたのは、そのフォルムはロータリー・エンジンの搭載を前提とし、特に近代のフロントエンジン車としては極めて低いボンネット高は“ロータリー・エンジンの搭載なくしては実現し得ないもの”と説明されたことでした。スペックシートにはエンジン=スカイアクティブ-R、駆動方式=FR、乗車定員=2名、全長×全幅×全高=4,389mm×1,925mm×1,160mmといった具体的な内容も記されていたことから、「RX-7の再来は間もなくだ!」と早合点したクルマ好きが数多くいたのも当然のことでしょう。しかしそれ以降RX-Visionの情報はアップデートされることなく現在に至っています。
【モデル解説】
モデル化にあたっては意図的な形状の強調や省略を行わない、客観的な造形を目指しました。RX-VISIONは形状的にはシンプルですが、緩やかな膨らみや凹みの連合体であり、その形状把握にはかなりの苦労を伴いました。モデルカーは製品化にあたっては、マツダでの監修を受け、実車のデザイナーからもお墨付きをいただいています。
特徴的な深みのあるレッドのボディ色は、シルバーをベースにクリアレッドを塗り重ねての再現で、1台1台手磨きで鏡面仕上げとしています。フロントのアンダースポイラーやサイドスカート、リアのディフューザー、さらにはホイールに至るまで、RX-VISIONには多数の部位にカーボンが使用されていますが、モデルではすべてそれらはデカールを貼り込んだ上でクリアコーティングを施して平滑感を演出しています。
今回のモデルのハイライトのひとつとなるのが、車体との連続感も要求されるウィンドウパーツの再現ですが、フロント、リア、サイド、そのすべてに金型を使ったインジェクション成型部品を使用しています。旧来のフィルムの貼り込みでは成し得なかった、美しい弧を描く三次曲面と、ボディへのフィッティング具合をご確認いただけるはずです。
内装も馬の鞍をモチーフにした高いセンタートンネルやそこを覆う本革のトリム、シフトノブ他、金属を多用してマシーン感を強調したコックピットなど、どこかクラシカルさも漂う空間を徹底的に再現しています。
1/18にスケールダウンしても十分すぎるほどの魅力を放つRX-VISION。モデルカーとしてはもちろん、書斎やガレージに飾った際のインテリアとしての「映え」具合は、これまでにはなかった新鮮なものとなっています。
商品仕様
製品名: | 1/18 マツダ RX-Vision 2015 ソウルレッドクリスタルメタリック |
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型番: | EML023 |
JANコード: | 4570104423419 |
メーカー: | Make Up(メイクアップ)/EIDOLON(アイドロン) |